日々の泡。

popholic diary

2018年2月のTweet

2018/2/4

コーネル・ムンドルッツォ監督「ジュピターズ・ムーン」を観た。なんとも不思議な感触の映画だった。難民キャンプで違法に難民を逃し金を稼ぐ医師、被弾し運び込まれた少年は重力を操り浮遊する能力を持っていた。このSFな設定がドキュメンタリータッチの社会派ドラマのように描かれる。「仁義なき戦い」のタッチで描く藤子F不二雄の短編みたいな。いや、ちょっと違うか。とにかく今まで出会ったことのないような感触。かっこよく空を飛ぶのではなく、ただふわりと浮遊するその姿。切羽詰まった人間達の泥臭くハードなドラマの中に神の視点がふと紛れ込む。

ポール・キング監督「パディントン2」を観た。なに、この多幸感あふれる大傑作は!ハッピーでチャーミング、ユーモアと知性に満ちていて、その上ハラハラドキドキの大エンタメ!なんかもう幸せすぎて涙出た。小さな親切が生む希望の光。本当に素晴らしい!何度も言いたい。大傑作!いや、もうホントちょっとびっくりするぐらい良くって途中からずっとハンカチ握りしめてた。歳のせいで涙腺のパッキンが壊れ気味ではあるが、なんて幸せなシーンなんだ!と半端なく涙流れたよ。ささやかでありふれた小さな親切と寛容な心が人を繋ぐ。くーっ素晴らしい!ただ品行方正なだけの映画とも違う。画面の隅々まで徹底的にデザインされた最高にキュートな映像。ヒュー・グラントをはじめとする芸達者な役者たちの完璧な演技。最後まで気の利いたストーリーにテンポの良い語り口。見事な伏線回収に洒落たユーモア。絶賛ポイントあり過ぎ!なんというか「世界の捉え方」が素敵。もうアベもトランプもジョンウンも、みんないっしょに観たらいいよ。つーか観ろ!

2018/2/6

韓国のGLIM SPANKYって感じでしょうか。かっこいい!

유희열의 스케치북 Yu Huiyeol's Sketchbook - 새소년 - 긴 꿈. 20180203 - YouTube

どうよ、このギター!まだ20歳ぐらいなんだとか

유희열의 스케치북 Yu Huiyeol's Sketchbook - 새소년 - 파도. 20180203 - YouTube

2018/2/8

入江悠監督「ビジランテ」を観た。閉鎖的な田舎町。父の死をきっかけ交差する三兄の運命。憎しみと呪いに支配された町、地方都市が持つ重くどんよりと淀んだ空気感が生々しい。何とも言えない苛立ちが暴力を加速させる。観ている間中、ずっと胃が痛かった。

キャスリン・ビグロー監督「デトロイト」を観た。1967年、暴動のさなかで起こった白人警官による殺人事件。その恐怖に満ちた絶望的な一夜を観客もまた追体験することになる。差別主義者が権力と拳銃を握ったら何が起こるか。いまもなお地続きの偏見と憎悪、その深い溝と傷に圧倒された。差別主義者たちは自分の行為がいかに卑劣かをわかっている。だからこそいつか復讐されると怯え、さらに攻撃的になる。嘘を並べデマを放ち、病的なまでに攻撃的な差別主義者達。街中のヘイトデモ、新聞に載るヘイト雑誌の広告…僕らもまたリアルタイムで目の当たりにしている。

カーネーションと対バンして欲しい!

youtu.be

2018/2/10

チョン・ビョンギル監督「悪女/AKUJO」観てきた!美しき暗殺者、スクヒの物語-まぁストーリーはともかく、度肝抜くどーかしてるアクションのつるべ打ち!とにかく世界中見渡してもまるで見たことのないアクションのテンコ盛りでオープニングから口あんぐり。最新型にして最高峰のアクションがここに!大画面のスクリーンで観るド迫力の冒頭シーン。一体どんな撮影方法なの?と考える余地も無く男たちを殺しまくる。中盤のバイク×日本刀、ラストの壮絶なカーチェイスからのバスの中での殺し合いと最強にして最狂のアクションを堪能。物語の弱さなんてここまでやればもはや関係ねーっ

パク・クァンヒョン監督「操作された都市」も観てきた。「悪女」程話題になっていないけど個人的にはむしろこちらをおススメしたい。殺人犯に仕立てられた無職のゲーマー。自分を陥れた罠に立ち向かうアクションサスペンス。誰が観ても楽しめる超絶エンタメ作!総合点で言えば悪女越えの傑作!冒頭の戦闘シーン。そのビジュアルやアクションの壮大さなど大作映画のクライマックスシーンレベル。しかしそれがただのネタフリ。冒頭15分でアクセル全開で物語が動き出す。そこから物語は何度もスクリュー。監獄物かと思えば謎解きサスペンス、やり過ぎカーチェイスも凄い。さらには「がんばれベアーズ」方式で悪に立ち向かう。シナリオ、映像表現、キャラクター、観終わった後の爽快感など韓国エンタメの強度とレベルの高さに脱帽。めちゃめちゃ話題作ってわけでもないのにこのレベル。これ多くの人に観て欲しい!絶対満足できる一本!この壮大な戦闘シーン。エンディングではなくてオープニングわずか7分の“ネタフリ”なんだよね。この後全く違う展開になった上でこのネタフリが効いてくる!

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2018/2/12

吉田大八監督「羊の木」を観た。さびれた田舎町に移住してきた6人の男女。しかし彼らは皆、元殺人犯だった-ってな話。何か悪いことが起こりそう…そんなザワザワが全編を覆う。6人それぞれの訳あり感、特に松田龍平の得体のしれない不気味さが凄い。翻弄される錦戸亮の受け芝居もまた良し。あと一滴一滴零れおちるような色気が実に妖しい優香も素晴らしい。安藤玉恵中村有志など脇役陣も含めじわじわと心理戦を演じる俳優陣が軒並み良い。

2018/2/17

大林宣彦監督「花筐」を観た。す、凄い…とにかく凄いものを観た!3時間近い大作ながら全編異常なまでのテンション、フィルムを切ったら血が流れ出すんじゃないかというぐらいの生命力、狂気の沙汰としか思えない映像の数々…あらゆるセオリーや文法を飛び越えつつ圧倒的に映画的であり映画そのもの。余命宣告までされた80歳になる監督が、ここまでの作品を作り上げるとは!一か所もありきたりな映像が無くどーかしてる映像のオンパレード。「この空の花」「野のなななのか」に続く戦争三部作にして監督の作家性が大爆発。アヴァンギャルドでありながら痛切なメッセージ性を感じる。映画という嘘で綴られた、真に真正面から叫ぶメッセージ。ユーモア、実験性、エロティシズム、押し寄せてくる過剰さ、そこに流れる赤い血。とにかく凄まじい映画である。憎悪と差別を隠そうともしない恥知らずが権力を握る狂った世界に対抗しうる狂気的なまでの正気。映画「花筐」を観ながら、自分はやっぱり政治家より芸術家を信じるし、金より文化を愛しているんだなと再確認した。

2018/2/19

キム・ソンフン監督「コンフィデンシャル/共助」を観た。北のクールなイケメン刑事と南の落ちこぼれ奇面刑事、何もかもが正反対の2人が共助捜査を行うことにというアクションエンタメバディ物。理解し合えなかった二人にいつしか友情が芽生えってな展開もお約束だがこの手のアクションさすがに面白い。迫力満点の肉弾アクションにカーチェイス、笑いあり涙ありのテンコ盛りエンタメ。ヒョンビン演じる北の敏腕刑事と我らがユ・ヘジン兄貴演じる南のデリカシー0刑事。政治的な対立を越える人と人との情、その繋がりにはただの絵空事にしたくないという想いも感じる。とはいえ、この韓国版「あぶない刑事」ただ単に楽しめる。少女時代のユナがコメディリリーフとして登場。北のイケメン刑事に恋する南の刑事のボンクラ義妹役を好演。かわいい。

イ・ジュヨン監督「エターナル」を観た。会社が破綻し地位も名誉も信用も何もかもを失ったジェフン。傷心のまま妻子が暮らすオーストラリアに飛ぶのだが、そこで見たものとは…。とても静かに淡々と進むストーリー。時折あれっ?と思うところがありその疑問が最高潮に達した時にまさかの…!国際的スター、イ・ビョンホンの抑えた演技が彼の悲しみや後悔を深く感じさせる。様々な疑問や説明のつかない場面が散見され、脚本が甘いなと思った矢先に、その全てを納得させる展開を見せる。思わず、あっと声が出た。観終わった後にもジワジワくる静かな傑作。こちらには元ワンダーガールズのソヒが重要な役で登場。ワンガ時代からのお気に入り。女優として成長していって欲しいな

で昨日はSHINee@京セラドームへ。ジョンヒョンへの強い想いが伝わるステージに思わず涙。

今日はずっと行きたかった「出町座」へ。商店街の中にある実に雰囲気のいい映画館。韓国と台湾のサスペンススリラーを2本観賞。映画についてはまた後日。出町柳百万遍界隈は祖父母が住んでいたこともあって昔から慣れ親しんだ場所。映画の後しばし散策し休日を満喫。久し振りに心が落ち着く。

2018/2/24

大阪に出ていたので竹内義和さんと角田龍平さんの「妄言自由人」へ。性事から政治まで話の振り幅がえげつない。日本を覆うおかしな空気に疑問を呈する姿に気骨を感じ、「カーリング女子は○○○が上手い」「羽生くんの○○○はシュッとしてる」とオリンピック絡みの決めつけトークに爆笑。韓国カーリング女子は映画化必至だなー。メガネ先輩役はチョン・ジヒョンがいいか、はたまたペ・ドゥナか、チョン・ユミも捨てがたいし…と思案中。

2018/2/26

イ・チョルハ監督「消された女」を観た。精神病院の火災事故を追うドキュメンタリー番組のディレクター、ナムスの元に一冊の手帳が届く。それはある日突然拉致され精神病院に監禁された女の克明な日記だった。謎が謎を呼ぶミステリーであり「ドキュメンタリーは嘘をつく」という視点をも持った作品。保護者の同意と医師の診断があれば本人の同意なしで精神病院に強制入院させることができるという法律の下で実際に起こった拉致事件にインスパイアされた作品。事件を追うのがドキュメンタリー番組のディレクターってのが効いてる。真実はどこに?な展開、ラストにゾッとする。

2018/2/27

チェン・ウェイハオ監督「目撃者 闇の中の瞳」を観た。ある山道で起こった当て逃げ死亡事故。それから9年後、加害者、被害者、目撃者-それぞれの運命が再び動き出す。これは唸った!加害者-被害者-目撃者がそれぞれの立場がぐるぐると回りながらより深い闇を照らす。誰もが信用できない傑作ミステリー。韓国ノワールのごときダークさを身にまといながら、スタイリッシュで徹底的にハードボイルド。最後まで先が読めない、そして最後に残る苦い後味。台湾映画、恐るべし。

週末、LOVELYZのリリイベに我慢しきれず行ってしまう。それも二日続けて…。観るだけのはずが握手会まで参加してしまった…。在宅楽曲派でありながらどうしてもスジョンに会いたくて…