2017年7月のTweet - 日々の泡。

2017/7/2

メル・ギブソン監督「ハクソーリッジ」観た。第二次世界大戦中、自身の信仰と信念から「武器には触れない」と誓い陸軍に志願したドス。衛生兵として激戦区「ハクソーリッジ」赴くのだが…ってな実話ベースの物語。ハクソーリッジ＝沖縄・前田高地。熾烈極まる沖縄戦がこれでもかと描かれる。中盤からの沖縄戦描写のえげつなさが凄い。容赦無い暴力の渦。そこには「正義の戦い」なんてものはない。ただただ「無慈悲な殺し合い」があるのみ。その中で敵兵である日本兵も含めて一つでも命を救おうとする主人公のある意味狂信的な行動。究極の「でも、やるんだよ」。戦争シーンの容赦無さ、しかし現実はこんなもんではなかっただろう。狂気の世界からたとえ生還できたとしても決して消えない傷が心にも体にも残り続ける。戦争の現場はだだの殺し合いに過ぎない。これは歴史が教えてくれる事実。戦争反対の理由はそれだけで十分だろう。

2017/7/7

ケネス・ロナーガン監督「マンチェスター・バイ・ザ・シー」観た。便利屋として働くリーは兄の死をきっかけに故郷へ。甥・パトリックの後見人となったリー。彼が故郷を出て行ったのは深い訳があった…。乗り越えられない悲しみを抱えた彼の心に起こる変化。その繊細な動きを静かに捉える。沁みた。主演のケイシー・アフレックが素晴らしい。心を完全に壊してしまった男。死んだ目で日々を過ごす男の想像を超える絶望。でもそれでも、そこからほんの少しだけでも立ち上がろうとする。その繊細な心の動きが見事に演じられていた。

The Barberettesの新曲はスウィートソウル！最っ高！

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2017/7/9

昨日最終回のNHK 土曜時代劇「みをつくし料理帖」、久々に録画してまで観たドラマだった。主演の黒木華のはまり具合もさることながら、安田成美、麻生祐未というかっての若手女優が歳を重ねいい味を出していて、さらに萩原聖人が渋い役を好演。続編も作って欲しい。

2017/7/16

今日は一日韓国映画三昧。シネマート心斎橋での特集上映「反逆の韓国ノワール2017」で計4本、8時間たっぷり観る。4作品ともホントに面白くて、韓国映画のポテンシャルの高さに恐れ入る。しかしよくもまぁ次から次へと見応えのある映画が出てくるもんだなぁ。

イ・スヨン監督「犯人は生首に訊け」が特にとんでもなかった。今や韓国映画界を代表する俳優の1人、演技派チョ・ジヌン主演によるサイコスリラー。何言ってもネタバレになっちゃうから何も言えないけど、最後の最後までずっと不気味で空恐ろしかった。

石井裕也監督「夜空はいつでも最高密度の青色だ」観た。原作は最果タヒの詩集。「詩」の映画化ってどんなことになるんだろうかと思ったが、とても詩的でありながらリアルな手触りを持った映画で素晴らしかった。不器用で不格好でキラキラなんか全くしてない恋愛の中にある光り。そのリアル。良かった。喧騒の中の孤独、くそつまんなくって陰鬱とした曇天生活。眩しいばかりの青春の青なんかとは無縁の暮らし。そこで出会い惹かれあう2人。不器用で不格好な恋だけど、そこで黒だと思っていた空が最高密度の青なのだと気付く。石橋静河が素晴らしかったな

キム・テユン監督「善悪の刃」。韓国で実際に起こった冤罪事件を基に描く作品。金にしか興味の無いダメ弁護士が無実の罪で刑に服し出所してきた男と出会い、その真実を知り事件を暴く。韓国の大泉洋（そっくり）チョンウが正義に目覚める弁護士を熱演。まんま大泉洋でリメイクできそう。

イ・ウチョル監督「殺戮にいたる山岳」。15年前に起きた鉱山事故で誰も寄り付かなくなった山。その山で見つけた金脈を奪おうとする悪徳刑事たち。事故で生き残り山を守る老人ムンと男たちの壮絶な戦いが始まる。名優アン・ソンギVSチョ・ジヌン率いる曲者悪人軍団。手に汗握る攻防戦が凄い。老人ムンが守り通す少女を演じるのはハン・イェリ。「ハナ　奇跡の46日間」で一躍注目を集めた女優さんだけど映画によって見え方が全く違う。まさにカメレオン女優。「殺戮にいたる山岳」でも超絶難しい役どころなんだけど完璧に演じていて素晴らしかった。

クォン・ジョングァン監督「特別捜査ある死刑囚の慟哭」。元刑事の法曹ブローカー・ピルジュ。大財閥の婦人が殺害された事件で捕らえられ死刑囚になったスンテ。無実を訴えるスンテが頼った先はピルジュだった。そして事件の背後にうごめく巨大財閥との戦いが始まる-韓国映画のお得意パターン！アウトローが巨悪に立ち向かうという王道パターンながら、魅力的な登場人物たち、伏線にどんでん返し、ハードアクションのつるべ打ちで最後は気持ちよく大団円という徹底したエンタメ。ちゃんと面白いから凄い。

イ・スヨン監督「犯人は生首に訊け」。離婚して田舎町にやってきた医師・スンフン。その町は15年に渡り未解決の連続殺人事件が起こっていた。アパートの大家である精肉店親子が犯人ではと疑い始めるスンフンだったが…まぁ思いも寄らない展開が最後まで続きビビりあげた。観終わった後もずっと後味の悪さが残る、実にいやーな映画で、ゆえに最高。チョ・ジヌンのミリ単位の見事な演技で恐ろしさ倍増。いや、ホントいやーな映画観た。

2017/7/20

Lee Jin Ah新曲、最高。僕みたいなポップスファンにとっては韓国ミュージックシーンは宝の山だなー

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