日々の泡。

popholic diary

2015年6月のTweet

2015/6/1

Shiggy Jr.が「サマータイムラブ」でついにメジャーデビュー。Shiggy Jr.はPOPであることに迷いがない。キャッチーなメロディーにキラキラしたサウンド。キュートなんだけどどこか切ない。非凡なまでにありふれたラブソング。池田智子のボーカルには無自覚な凶暴さがある。間違いなく今最強のPOPバンド。紅白目指すべき。

30数年POPな音楽が好きでずっと聴いてるけど、日本の音楽シーンほどPOPな音に冷たいとこはない。POPな音楽は実はずっとアウトサイダーで、屈折と覚悟、パンクな精神が必要だった。Shiggy Jr.の強みは、そんなことすら軽々越えて、迷いなく堂々とPOPであるとこ。

2015/6/4

Shiggy Jr.のライブ観てきた。新人バンドらしからぬ完璧なステージングに度胆抜かれた!演奏力の高さ、客の乗せ方、ステージの多幸感。完全にでっかいステージで歌ってる姿が見えた。やはりボーカルが強い。ライブでは音源以上に声に表情があって、色気を感じたな。大化け必至の最注目バンド。

それから藤原さくらのライブも素晴らしかった。恐るべき19歳。ギター一本ながら、凄みすらあった。

2015/6/6

朝から京都シネマへ。ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督「サンドラの週末」観てきた。突然解雇を告げられたサンドラ。同僚の半数以上がボーナスを諦め彼女を選べば復職が叶うことに。サンドラは一人一人を説得して回るのだが、という話。それぞれが事情を抱える中、どちらを選択するのか。心の病で休職中の彼女は、不安定な心のまま同僚一人一人と対峙していく。決して豊かではない同僚たちもまた、それぞれに事情を抱えながら、彼女の訴えと向き合っていく。受け入れるもの、拒否するもの。どちらもが選択であり間違いはないのだ。故に深く考えさせられる。ボーナスを諦めることで家族の生活に支障をきたすもの、彼女の復職によって自らが解雇に近づくもの、それぞれのシビアな事情が物語を単純にしない。復職を願う彼女もまた一つの事情であり、それが正義ではないのだ。自分ならどう選択する?自分に問いかけながら観た。

正しさとは何か?簡単に答えが出るものではないけど、どれだけより弱い者の側に立てるか。もし今はそうではないとしても、いつか自分が最も弱いものになるかもしれない。その想像力。その想像力こそが「知性」なのではないかと思う。そしてその「知性」が正しさを選択するのでは。

でもう一本。チョン・ジュリ監督「私の少女」観てきた。寂れた漁村に所長として赴任してきた女性警官ヨンナム。継父から酷い暴力を受けている少女ドヒと出会う。二つの孤独な魂を過酷な運命が襲う。ってな話。打ちのめされた。ここまで人間の深層を描けるのか。凄い。ド級の傑作にして必見作。家族からの暴力に晒され、村中みんながそれを知っていながら誰も助けてはくれない。そんな地獄の中で育まれる少女の怪物性。そしてそれがまた大人たちの中に得も言われぬ恐れを生み、暴力が加速していく。何層にも折り重なる人間の闇を映画はどんどんとえぐっていく。閉塞的な田舎町にやってきたヨンナムもまた秘密と孤独を胸に抱えている。徹底的な孤独を抱えた2人が出会い、結びつくのは必然である。しかしその結びつきもまた危うく不穏な空気が漂い始める。薄氷の上にある一瞬の安らぎが切ない。もうたまらないものがあったな。闇さえも飲み込むことで、2人は闇から抜け出そうとする。ある種の共犯者となる2人の未来は。映画の後に続く物語に想いを馳せずにいられないのが良い映画の条件だ。重く深く心に覆いかぶさる物語の強度。ペ・ドゥナとキム・セロン。2人の女優の深い深い演技に圧倒された。監督のチョン・ジュリは1980年生まれの女性監督。これが初監督作。プロデュースを務めるのはイ・チャンドン監督。まさにイ・チャンドンの魂を引き継ぐ奇跡的な傑作。閉塞的な町、移民、暴力、マイノリティへの迫害etc社会的な視点が幾重にも折り重なる深みのある映画。凄い。

そうそう映画「私の少女」、K-POPファンとしてはキム・セロンによるハロビのダンスカバーシーンは見逃せない。なぜにハロビ。そしてラストに流れる歌はハン・ヒジョンさん。僕が韓国音楽にはまったきっかけになった女性SSW。

2015/6/7

今日は原田眞人監督「駆込み女と駆出し男」観てきた。時は江戸時代後期。離縁を求める女たちが駆け込む縁切寺東慶寺を舞台にした人情劇。会話のテンポが良くって、湿っぽさもなく2時間強があっという間にも感じる快作だった。軽快な時代劇。楽しく観れたなぁ。今一番客が呼べる映画俳優、大泉洋。大袈裟ではなく日本映画のど真ん中で軽やかに確実にキャリアを積んでいる。愛嬌と哀愁、品の良さと嫌みのない知性。群像劇の趣が強い今作でも、その存在感が作品のトーンにいい影響を与えていたなぁ。あと戸田恵梨香は印象の薄い女優さんだったんだけど、秘めた強さと凛とした美しさがあって凄く良かったなぁ。それから初めて知ったんだけど東慶寺を仕切る尼さん役の陽月華さんが印象に残った。

2015/6/12

大阪での会議後、久々に拾得でライブ観戦。まずは福岡史朗さん。ザクザクとした荒めの音で鳴らされるギター。身体の中から生まれるリズム。呼吸するように奏で、歌う。一音で広がる福岡ワールド。しかしかっこいいな。こんな風に歌えたらいいなぁなんて中学生の気持ちになった。続いては西村哲也さん。ドラムレスの変則編成。シャープでのびやか、そして切れ味鋭いギター。ちょっと久々だったのだが、やはりこの音グッとくるな。お馴染みの曲から新曲まで。メロディの宝庫ぶりが嬉しい。

2015/6/13

のんびりとローカル路線バスの旅特番見てる。歴代マドンナの人選が絶妙で最高。おっさんには「ちょうどいい」匙加減。ローカル路線バスの旅、次回のマドンナは森尾由美!絶妙!ちょうどいい!

国民のほぼ全てが神田沙也加による松田聖子曲のカバーアルバム待ってると思うんだけどなぁ。絶対本人はやりたくないんだろうけど、やるなら今しかないのに。それによって母親の呪縛から解き放たれるとも思うんだけど。

2015/6/14

ceroの新作「Obscure Ride」めちゃめちゃいいなぁ。全然似てないんだけど、例えばピチカートの「女性上位時代」とかオザケンの1st聴いたときみたいな感覚があった。ポップミュージックの歴史がちょっと動く瞬間を目撃したみたいな。

今日は午後から映画を一本。関根勤監督「騒音」観てきた。小学生の頃からラビット関根目当てに「カックラキン」観ていた俺としてはしっかり劇場で観ないとダメだろう。映画ファン必見の傑作!とは言いません。ただただ「くだらねー」(最高級の褒め言葉)映画。カマキリの時代から一切のブレ無し!突然現れた地底人。人々を襲う地底人と戦うために選ばれたのは冴えない親父たちだった。という話。温水洋一村松利史酒井敏也岩井ジョニ男飯尾和樹がメインキャスト。まさに逆アベンジャーズの汗と唾飛び交う戦い。くだらなさ至上主義の徹底ぶりが爽快。何の役にも立たない「くだらない」の中には溢れ出る愛がある。バカバカしいと思うなよ、やってる本人大真面目。齢60にしてこの徹底した姿勢は素晴らしい。この崇高なまでのバカバカしさの真逆にあるのは「戦争」。まさかの反戦映画でもあるのだ。

1995年に発行された関根さんの映画評論集「サブミッション映画館」は必読、必笑の名著。当時繰り返して読んだなぁ。

2015/6/20

前乗り5時起きでイベント仕事。さすがに疲労困憊。「ローカル路線バスの旅」みて、脳の凝りをほぐす。そしてここんとこずっと「ローカル路線バスの旅」の“ちょうどいい”マドンナを勝手に考えている。シャロン・ストーンとかどうだろうか。意外にやってくれるんじゃないか。

藤井隆の新作「COFFEE BAR COWBOY」が予想を遥かに超える傑作!驚くほどに音楽純度が高くて何回でも聴ける。

BoAの韓国8thAL「KISS MY LIPS」は全曲自身が作詞・曲を手掛ける意欲作。藤井隆のALと続けて聴くとその音の親和性の高さに驚く。

ウワノソラ'67のAL「Portrait in Rock'n'Roll」が届く。ナイアガラサウンド!と騒がれる以上の普遍的なPOPSとしてのかわいらしさがある。曲、サウンドの良さは言わずもがなだけど、曲名や詞がイチイチ気が利いてて嬉しくなる。3分間のPOPSの中に広がる物語。「Station No.2」「夢見るアクター」なんて曲を聴いてるとちょっとうっとりする。シンガーとソングライターの幸福な出会いを感じるなぁ。

2015/6/21

休日。京都みなみ会館で映画を2本。まずはアンドリュー・ラウ監督「リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン」。1980年代のアメリカ。中国からの不法移民・サニーは地元の中華系ギャング「グリーン・ドラゴン」に引き抜かれギャングとして成長していく。ってな実話ベースの物語。疾走感が凄い。製作はマーティン・スコセッシ。生臭くハードなヴァイオレンスシーン、孤独、差別、友情、愛、憎しみ、悲しみが矢継ぎ早に繰り出される。贅肉をすっぱりと削ぎ落とした骨太かつ疾走感あふれる演出。思わず前のめりになったなぁ。

続いて髙原秀和監督「がむしゃら」観てきた。いじめ、レイプ、自殺未遂の末、演劇と出会い女優になった安原結花。そしてレスラーを演じたことからプロレスの世界へ。悪役レスラー・安原惡斗として生きる事を選んだ彼女の人生を追うドキュメント。濃厚にしてまさにがむしゃらな生き様を見せつけられた。時に涙し、時に笑い、飄々と、淡々と、噛みしめるように…様々な表情を見せて自らの言葉で自らの人生を語る安原惡斗。リング上での激しさと、柔らかく掴みどころがないようにも見える普段の顔。傷だらけで這い上がるその「がむしゃら」さに、ほだされる。安原惡斗に襲いかかる苦行とも思える出来事の数々。今もまだその渦中とも言えるのだけど、それでも「生きる」ことを選び、選ばれた彼女の姿に、愛おしさすら感じてしまう。傷だらけの人生の中に輝きが生まれる。その輝きの美しさよ。

2015/6/22

角田龍平弁護士、エフエム滋賀「style!」にご出演頂きます!エフエム滋賀初登場。やった!

2015/6/23

小西さんのソロプロジェクトPIZZICATO ONE「わたくしの二十世紀」。1回目聴き終えた。噛みしめるように詞を、曲を、音を-歌を聴いた。15歳の時から小西さんの作った歌を聴き続けている。44歳の今もなお、その歌に胸を震わせている。多分ずっと聴き続けるのだろう。

2015/6/28

本日は映画を一本。レスト・チェン監督「20歳よ、もう一度」観てきた。あの大傑作映画「怪しい彼女」の中国リメイク版。韓国版をほぼ忠実になぞりつつよりソフィスティケイトされた仕上がり。主人公を演じるヤン・ズーシャンが可憐だったなぁ。韓国版では主人公はかってオードリー・ヘップバーンに憧れていたという設定だったが、こちらではテレサ・テン。日本でもお馴染みの曲がヤン・ズーシャンの歌声で流れる。韓国版にあったコメディ要素や熱量はちょっと抑え目。そのドタバタ感から生まれる笑って泣いての楽しさはちょっと薄らいでたかな。

2015/6/29

エフエム滋賀に角田先生ついに登場!念願かなって番組にご出演頂きました。7/1演芸マニア必見!エムカクさんVS柳田さんの世紀の一戦!滋賀からの動員につながるのか!?