日々の泡。

popholic diary

そしてまた歌い出す

どうも。では更新と参りましょうか。
先週の日曜は朝5時起きでスキー場でのイベント仕事。滑るでもなく長靴はいてあっち行ったりこっち行ったりで16時間後に帰宅。で今週は月末月初でバタバタ。とりあえず一山越えて今日明日はのんびりと。
でそんな中、聴いてた音楽はというと。
まずは口ロロの「CD」。音と言葉の実験が同時進行で行われている。実はこの先鋭的な姿勢こそがPOPとなる。「レコーディングアート」なんて言葉を思い出したな。でアルバムの中でひと際ポップである種「普通」の楽曲、「恋はリズムに乗って」がもうホント素晴らしくって何回も何回もリピート。なんてことのないポップソング。ありふれた恋の歌。でもこの胸のザワザワは何だ。すっかりこの一曲に恋をしてしまった。

CD

CD

そしてライムスターの新作「POP LIFE」。前作「マニフェスト」から1年経たずにリリースの姉妹盤。前作からの続きであることを示すイントロダクションからの2曲目「そしてまた歌い出す」にもう完全にやられた。仕事しながら聴いてたのだが、あやうく泣きそうになった。いや、もう完全に涙目になってしまった。タイトルそのまま「そしてまた歌い出す」覚悟をはっきりと意志をもって宣言した一曲。その真摯な姿勢に胸打たれた。自分も40歳という年齢。もう引き返せないところにきている。ある種の覚悟。俺にはあるのか。と自問自答。でこんな曲があると思えば、ナンセンスなバカ話的な「Just Do Ii!」や「ほとんどビョーキ」なんて曲、さらに今そこにある問題、目を逸らすことのできないリアルな現実を「ラップ」という方法で、「ラップ」でしか成しえない方法で斬り込んだ「Hands」、ご陽気な「Walk This Way」から、最強にして最高の大人の悪態「余計なお世話だバカヤロウ」まで。曲そのものも曲順も最高。そしてその多様性、様々な表情こそが実に人間臭いのだ。自分も40歳になってわかったが、人とは決して一面だけのものではない。「冷たい熱帯魚」の名台詞よろしく、つるつるしたきれいな丸い星なんてものはなく、あるのはごつごつした岩の塊なのだ。真摯な姿勢も悪態も、誠実な言葉もナンセンスも、清濁飲みこんだところで初めて人間なのだと思う。「POP LIFE」というタイトルの軽味の裏にある、年齢を重ねて知る人間臭さにただもう痺れた。
POP LIFE(初回生産限定盤)(DVD付)

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それから空気公団の新作「春愁秋思」もまた素晴らしかった。ここにも日々の生活を重ねることで生まれる深みがある。空気公団と言うバンドが重ねてきた時間は1秒たりとも無駄ではなかったということがちゃんとわかるアルバムになっている。7分を越える「文字のないページ」を聴いててそう思った。いつもの空気公団のようでいてこれはデビュー時では絶対出せない音だし、言葉だし、メロディーである。
春愁秋思

春愁秋思

あとSakanaの新作や安藤裕子のカバー集の話は後日にしとこう。これもまたいいアルバムだったんだ。
でその他の話。
先週の「めちゃイケ」はおもろかったな。岡村さんと熊田曜子の邂逅とかのあの感じ。復帰してからの岡村さんは、妙な開き直りとふてぶてしさが加わって以前よりおかしみが増している。太ったこともあって、なんか腹が据わった感がある。はっきり言ってお笑い芸人としては致命的ともいえる状況からの劇的な復活。もはや引き返せないお笑い人生。土曜八時の四番バッターは「そしてまた歌い出す」。
おい、カンニングごときで騒ぎすぎだよバカヤロウ。
妻と娘が熱心に月9ドラマを見てる。「考えられへんっ」「共感できひんっ」とか観ながらひたすら文句言ってんの。仕事で一緒の女の子も同じようなこといいつつ毎週見てるんだと。三浦春馬演じる主人公が婚約者である戸田恵梨香を捨て、自分を慕う影のある女子高生・武井咲になびく姿に女性陣は相当怒っているようだ。だが、はっきり言おう。男なら戸田恵梨香より武井咲を取っちゃうでしょ、実際。ヤレる可能性になびく雄の本能っすよ。
で今日観た映画の話を。ヤン・イクチュン製作・脚本・監督・編集・主演の「息もできない」。1年遅れ、アンコール上映でやっと見られた。
偶然町で出会った二人。粗野で粗暴な借金の取り立て屋・サンフンと勝ち気な女子高生・ヨニ。二人はともに逃れられない家族の問題を抱えまさに「息もできない」ような世界に生きている。二人の孤独な魂はしだいに引き寄せあうが、そこにはまた逃れられない運命があった-ってな物語。最初に言っとこう。大傑作。映画館は立ち見が出るほどの入りだったが、誰もがその物語に「息もできない」ぐらい見入り、飲みこまれていたのがわかった。「息もできない」ような暴力表現、そこにある「息もできない」ぐらいの痛み、悲しみ。二人の魂が重なる漢江でのシーン。一人で観てたら「息もできない」ほどに嗚咽していただろう。暴力に傷ついた男は、暴力と言う表現しかできずに、そのやるせない魂を持て余している。一つの出会いがあり、暴力の連鎖から逃れられるかという矢先に、また暴力に飲みこまれていく。ラストシーン、そのやりきれなさのリアル。そこ、ここにある「息もできない」状況。自分自身の為にと資材を投げ打ってまで映画を作りきったヤン・イクチョンの魂。鬼気迫るその極私的な想いが、観る人、一人ひとりの魂と共鳴する。まさに奇跡的な映画であるが、それは作られるべき映画でもあったのだ。

おぉっと、すっかり長くなってしまった。じゃ最後にK-POPいっとく?
とりあえずバラード2曲貼っとこう。まずはIUちゃんの新曲。ポップ&キュートな魅力全開だった「Good Day」から一転。泣きのドバラードでじっくり聴かせる。グッと来る歌唱ですなー。
そしてLady Jane嬢の新曲もまたバラード。表現力はIUちゃんには到底かないませんが、不思議な清涼感が魅力。っつーか顔が好き!