日々の泡。

popholic diary

2021年3月21日~27日の話

日曜。いつものように朝から妻と買い物に行って、午後はアマプラで映画を一本。

ダリウス・マーダー監督「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」を観た。ルーベンは恋人のルーとトレーラーハウスで各地を回りながらライブ活動を行うドラマー。日々爆音の中での生活の末、ルーベンは耳が聞こえなくなってしまう。その現実を受け入れることができず自暴自棄になるルーベンだがルーの勧めでろう者の支援サークルに参加することに。絶望の中、必死に足掻きもがくルーベン。支援サークルでの生活にも慣れ、耳が聞こえない日常に平穏さを感じながらも、かっての生活を取り戻すべく手術を受けるルーベン。だが失ったものは戻らない。ラストは青春の終わりを感じさせる切なくビターなものだったが、それですべて終わりではない。失ったものではなく、得たものを知ることでまた新しく生まれ変わることができる。そんな優しい光がちゃんとある。素晴らしい作品だった。

夜はドラマ「天国と地獄」最終回。考えたら綾瀬はるかの主演ドラマって初めてちゃんと観たかも。今更ですが素敵な女優さんだなー。

仕事の話は割愛。久々に痺れるトラブルもあったが、ま、命まで取られることはない。なんてことねーですよ。と自分に言い聞かせつつ。しかしまぁサラリーマン生活ももう27年。いっこうに偉くなることもなく…。

今週聴いてたのは、我らがIU先生。今や女優、シンガーとして韓国エンタメ界のど真ん中で大活躍するスーパースター。新作AL「LILAC」リリースで久々のIU祭り。

当ブログに初めてIUちゃんが登場したのは?と検索してみたら実に10年前。2010年12月11日のこと。

popholic.hatenablog.com

IUブレイクのきっかけになった名曲「Good Day」から早10年。一時は寝ても覚めてもIUというIU病みだった時期もある。自分の中では韓国3大ボーカリストの一人。(ちなみにあとの二人は少女時代のテヨンとApinkのウンジ。この評価は10年変わってない)。

表題曲「LILAC」とこちら「Coin」のMVも公開。キム・ユンソクの叔父貴も登場で盛り上がるなー。


[MV] IU(아이유)_Coin

今週聴いたラジオではやっぱり杉作さんの「ドッキリないと5」。タイムフリーで聞いた先週金曜の「今夜決定!おしん」には笑った。2021年にここまでの熱量で「おしん」を語っている番組あるか?杉作さん御得意の「高橋悦史」モノマネフルバージョンは電車の中で聞いてて笑いこらえるのが大変だった。マスクしててよかった。杉作さんが提唱する「ファニーカルチャー」。確かにこれはサブカルではない、「ファニーカルチャー」としか言いようがない。ただただ可笑しくて人を幸せにするファニーなカルチャー。神回と呼ぶにふさわしい痺れる放送だった。

で金曜。「俺の家の話」最終回。これまた痺れる作品だった。文字通り面白いドラマであり、今という時代や社会も感じさせつつ、やっぱり面白い物語として帰結する。そのうえで、長瀬智也という素晴らしい俳優、いや人間に対する心からの贐にも感じられて心震えた。

土曜日は映画。クロエ・ジャオ監督「ノマドランド」を観た。夫を亡くし、住居も失ったファーはキャンピングカーで「ノマド」として季節労働の現場を渡り歩く。その暮らしをアメリカの大自然とともに描く。懸命に働いて60を越えて、その末に漂流者としてバイト暮らし。このシビアな現実。自分ももう言ってる間に60だ。思い描いてた老後はとてもじゃないが送れそうもない。考えると怖くなってしまうが、現代のノマドとして定住地を持たず、自然の中で暮らすという在り方は理想にも見える。いや、もちろんそんな甘いものじゃないけれど。生きる場所を探すことはつまり死に場所を探すことなのか。自分はこの人生の中で何を得て、何を失ったのだろう。そしてこの先、どこに行くんだろうと映画を観ながらずっと心がざわついていた。

でもう一本。吉田大八監督「騙し絵の牙」。出版不況の中苦境に立たされている大手出版社「薫風社」を舞台に、次期社長の座と雑誌の生き残りをかけた仁義なき戦いを描く。いやーこれは痛快なエンタメ作だった。一時もだれることなく物語がどんどんツイストしていく気持ちよさ。飄々としつつスマートな大泉洋演じる編集長・速水と彼に振り回されつつ熱い思いを胸の奥にたぎらせる松岡茉優演じる新人編集者・高野のコンビが良い。ラストも含めて、意外に日本映画では感じるることが少ない爽快感があってとても楽しめた。

テンポ感とかウェットとドライのバランスがちょっと韓国映画っぽくもあるなーなんて。韓国リメイクして欲しいな。イメージキャストは…

大泉洋→イ・ソンギュン
松岡茉優→キム・テリ
佐藤浩市→リュ・スンリョン
國村隼チェ・ミンシク
木村佳乃キム・ヘス
佐野史郎→イ・ソンミン
中村倫也→イム・シワン
池田エライザ池田エライザ
宮沢氷魚→ミンホ

 

2021年3月14日~20日の話

チェ・ユンテ監督「野球少女」を観た。“天才野球少女”と呼ばれる高校生・スイン。プロを夢見るも“女子”だからという理由だけでプロテストも受けられないでいる…。派手な熱血青春ドラマかなという予想はいい意味で裏切られた。まさに今という時代にフィットした「わきまえない」女性の映画。プロ野球に挑む女性を主人公にしているが、これはあらゆる分野においてガラスの天井を突き破ろうとする者の苦悩と苦闘、そして強さを静かに描いている。「わきまえる」女であれという母親との確執。しかしこの母親もまた「わきまえる」ことを強いられてきた女性なのだ。主人公を演じるイ・ジュヨンの眼差しの雄弁さ。とてもフレッシュで背筋が伸びる映画であった。

「男だから」「女だから」を代表とする「○○だから」という決めつけ。自分自身にも確かにある固定観念を拭い去ることはとても難しい。でも今それをちゃんとやっておかなければならないと心底思う。世界を正しく見る為には絶対的に必要なことなんじゃないだろうか。

キム・グァンビン監督「クローゼット」を観た。事故で妻を亡くし、娘と共に郊外の新居に越してきたサンウォン。しかしある日、娘が忽然と消えた。必死で娘を探すサンウォンの前に謎の男ギョンフンが現れ…ハ・ジョンウとキム・ナムギル共演の御祈祷ホラー。演技派俳優の共演ながら絶妙なB級感が意外に楽しい。

日曜。朝から妻と実家へ。今週も母の運転手として病院回りや買い出しなど。昼は母お手製の太巻き寿司。本当に美味しい。祖母や叔父のことなどもろもろ今後のことを話しつつ。人生、年とってからの方が長いな。考えると怖くなってくるよ。

で仕事の話は割愛。

録画していた水道橋博士さんの「BOOKSTAND TV」江口寿史先生ゲスト回を。はじめて「すすめ!パイレーツ」を読んだ日のことは今もはっきり覚えている。ジャンプコミックスの6巻。小学4年生の冬休みだ。兄貴が買ったそのコミックスを読んで本当に転げまわって笑った。テンポのいいギャグにとびきりPOPな絵。ちょっと飛びぬけたセンスだなーなんて子供心に思った。それから40年。ずーーっとファンでいる。「遅筆」のあまり「藝人春秋2」単行本の発売日を遅らせたなんてエピソードにも悪びれることなく飄々と。それでもこの人に描いてもらいたいと思わせる「絵」の力。最高。

しかし水道橋博士さんの活動が活発なのでファンとしては追っかけるのが大変。でも一時の休業期間を思えば、これもまた嬉しい悲鳴。新たに立ち上げられたLIVE「阿佐ヶ谷ヤング洋品店」、略して「アサヤン」を配信で。オープニング「春のからっ風」のはまり具合!社長芸人にしてハカセードライバー、ジョニー小野さんの司会でスタート、そこに現れたるは元祖「アサヤン」ルー大柴パール兄弟「君にマニョマニョ」で踊るルーさん。そこからは博士さんによる「知ってるつもりルー大柴編」。世界放浪の旅話からギター弾き語りまでの大サービス。後半は松村邦洋さん登場。無軌道に突っ走る松村さんがおもろ。そしてスリリングな第2回、第3回に向けてのアポなし直電へ。ラストはグレート義太夫さんのギター、マキタスポーツさんのリードで「浅草キッド」ならぬ「阿佐ヶ谷キッド」の大合唱。博士さんの独唱部分は観てるこちらも熱く込み上げてくるものがあった。心身削って書き上げられた「藝人春秋2」単行本発売後、文字通り命を懸けた戦いとなった「HATASHIAI」。そして休養。長く辛い沈黙の果てに辿り着いたライブ。完全復活を告げるような熱唱。会場全体がそれを祝うような多幸感に満ちていく。そんなこんなであっという間の2時間。

GYAO小泉今日子さんの配信ライブ「唄うコイズミさん」を。キョンキョンは多彩な活動でもう存在そのものが強烈だったがゆえ、聖子や明菜のように「歌手」として語られることは比較的少ないが、新ためて素晴らしい「歌手」であると再認識。キョンキョンは82年からもうずっとずっと憧れのかっこよくてかわいいお姉さん。

しかし相変わらずひどいニュースばかりが噴き出てくる。もういい加減にしてくれと言いたくなる。

今週よく聴いていた音楽は台湾のシンガーソングライターPiA。彼女を知ったのは2013年。たまたま手にしたサンプル盤。韓国POPにはすでにどっぷりはまっていたが、未知だった台湾POPの世界。そのキュートでPOPな歌世界に衝撃を受け、自分の番組でONAIRしたり、来日ライブにも駆けつけた。観客わずか20人ぐらいだったけど。

2013年12月29日の僕のTweetから引用。

そして夜は大阪でライブ。梅田マンボカフェにて、前川サチ子、ルルルルズ、そして台湾からPiA楽団と柴群猫。凄くいいライブだったなー

でPiA楽団。ギター、ボーカルのPiAちゃんと、ウクレレ、コーラスその他のWingちゃんの二人。先日リリースされた日本デビュー盤が凄く良くってライブもとても楽しみにしてたが、期待を上回る素晴らしいライブだった。まずはPiAちゃんのギタープレイのかっこよさにびびった

PiA楽団ライブ。CDではゆったりまったりな印象だったが、ライブでのアコギストロークのビシビシくる感じ、伸びやかでまっすぐ届く歌の力。ライブ力が半端なくて惚れ惚れしながら観て聴いた。見た目はアイドルばりにキュートでありながらこの凄まじい演奏力&表現力。大ファンになっちゃったよ

日本と台湾。こうやって音楽を通じて交流することは本当に素晴らしい。音楽に国境はないよ。PiA楽団のライブ観てつくづく思ったなー。感動を共有する。この体験は、これからの世界の為に絶対必要だと思うな。

その後も追いかけ続けているが、配信されたばかりの新曲もすごく良い。

七點半的飛行機 - song by PiA | Spotify

 土曜。今日も仕事の娘を送り出し、ハムエッグとトーストの朝食。朝のうちに散歩がてら近所の映画館へ。

リー・アイザック・チョン監督「ミナリ」を観た。1980年代、アメリカに移住してきた韓国人家族。農業で成功したいと願う父親。荒れ果てた土地とトレーナーハウス。孫の面倒を見るために韓国からやってきた祖母。そんな家族の姿を通して「生きる」ということを描く。そう「生きる」ことを描いているから誰しもの心に刺さるのだ。

口が悪くて「おばあちゃんらしくない」おばあちゃんを演じるには韓国の名女優、ユン・ヨジョン。誰もが郷愁を覚えてしまう懐かしい「おばあちゃん」。孫のデビットとのシーンを観ていると、いやでも祖母のことを思い出してしまう。無謀な夢に挑む夫に振り回されるしっかりものの妻を演じるハン・イェリもまた素晴らしい。ただ振り回されるだけじゃなく、妻として、母として、一人の人間として誠実に生きようとする姿のしなやかな強さを持った美しさ。彼女の出演作はかなり観ているほうだが見るたびに別人に見える。決して目立つタイプじゃないけれど必ず印象を残す。そんな素晴らしい俳優。韓国映画ファンとしてもこの二人の素晴らしい俳優が世界に発見されたことを心から嬉しく思う。

午後は家でのんびり。「明石家電視台」の特番。しかしもはやさんまさんの番組を見ると、必ず頭に「エムカク」さんのことが浮かぶという。

でじっくり時間をかけてスパイスカレーに再挑戦。レシピ動画を日夜見てイメージトレーニングはできている。

がそれなりにはできている。悪くはないが、何かが足りない。何かが……。

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2021年3月7日~13日の話

日曜。ハムエッグとレーズンパンのトースト、ヨーグルトの朝食。子供の頃、レーズン苦手だったけど、今はもう大好き。なんかリッチな気分になりますな。東ハトオールレーズン」なんて最高。ナイスコーヒーNo.1ですよ。

映画を一本。岨手由貴子監督「あのこは貴族」を観た。東京生まれ、東京育ちのお嬢様・華子。地方から出てきて名門大学に通うものの学費がままならず退学し、自力で生きる美紀。異なる“階層”に生きる二人の一瞬の邂逅。都会のデスロードからそれぞれが「自分の人生」を自分の足で歩きだす。これは静かなるマッドマックスだ。華子が育った厳格な上流階級と美紀が育った閉鎖的な田舎町は階層こそ違えど、そのシステム構造はまるで同じだ。一人の男性を間に二人は対峙することになるのだけど、台詞でもはっきりと言っているように二人が分断され攻撃しあうことはない。その必要はないのだ。二人が戦うべきは、二人を縛りつけるシステムなのだ。華子は、美紀と出会うことでそのことにはっきりと気づく。半ば諦めの中にいた美紀もまた覚醒していく。それぞれがそのシステムに疑問を投げかけ、自分の人生を生きようとするのだ。そしてそのことが共闘になる。彼女たちのそばにいて、まさに自分の足で立って自分の人生を生きるそれぞれの友人、逸子と里英がいい。心強い友人の存在が、二人に勇気を与え、背中を押すことになる。「あのこは貴族」という物語は多くの人々にとってそんな「心強い友人」のような存在になるだろう。細やかで丁寧、しなやかで強い大傑作であった。

華子と美紀を演じる門脇麦水原希子は一見、配役逆ちゃうなんて思ってしまったけど、これで大正解。逸子役の石橋静河、里英役の山下リオを合わせてこの4人が素晴らしくいい。石橋静河は以前から好きな俳優だが、今回もまた良かったなー。ますますファンになった。

で今週も営業回りに事務処理、取材に収録、原稿書きに提案・見積もりおまけに会議…とひたすらバタバタと過ごす。年度末、気ばかり焦る。

今週の朝ドラ「おちょやん」は板尾創路星田英利がメイン。二人ともすっかり大物性格俳優って感じで見応えあったなぁ。

水道橋博士さんの「藝人春秋3」文庫版発売。もちろん購入。町山さんの1万字解説はちゃんと読みたいので、ちょっと落ち着いてから読むことにしよう。

3.11。あれから10年。正直に思うところは、この10年でこの国は本当に酷い国になってしまった--ということだ。いくら悪いことをしても捕まることも無く、開き直る政治家。そのあきれるほどの劣化ぶり。歴史修正、改竄・隠蔽は横行し、デマ・陰謀論が飛び交い、暴力的なまでの差別やヘイトが溢れている。人々の悲しみの果てで、なぜこんな世界になってしまったのだろう。未だ家に帰れない人が沢山いるのに、復興ってなんなんだろう。国が壊されていくのをただ自分は見ていることしかできないのだろうか。なぜそれをくい止めることが出来ないでいるのだろう。罪悪感と無力感が募る。

 

2021年2月27日~3月6日の話

土曜。朝食は細かく切った魚肉ソーセージを混ぜたスクランブルエッグをトーストにのっけて。貧乏臭いが子供のころからよく作って食べてた。今も不意に食べたくなっちゃう。

角田さんの「蛤御門のヘン」竹内義和先生ゲスト回聴きながら京都まで。竹内先生の流れるような「青汁CM話」最高。で三条のMOVIXで映画を一本。

藤井道人監督「ヤクザと家族」を観る。綾野剛演じる一人の男が歩む人生を描く。1999年、血の気の多い不良少年が、親分に拾われヤクザの道へ。2005年、ヤクザ稼業も板に付き組織の中で重要な位置に付きつつある事件で懲役に。2019年、出所した彼が見た世界は以前とはまるで違っていた。ヤクザがヤクザとして生きられなくなった時代のヤクザ映画。老ヤクザが夜の海でせせこましく密漁をする姿のなんともいえない悲哀。やがて悲しきなんとやら。

観終わってラジオクラウド宇多丸さんの「ムービーウォッチメン」映画「あの頃。」評など聴きながら散歩。途中本屋に寄ったりしながら四条大宮まで。餃子の王将1号店で遅い昼食兼早い夕食。焼飯&餃子(ジャストサイズ)&鶏のから揚げ(ジャストサイズ)を。一人飯だとこのジャストサイズってのが嬉しい。色々食べたいが1人前だと多すぎるからね。

で今夜は有効期限3月末までの宿泊優待券使うべく一人四条大宮アークホテルで1泊。しかし京都の町中で朝ごはん付きで一泊4千円とは。ホテルではWOWOWが見られるのでちょうどやっていた、ねずみの三銃士2014年の公演「万獣こわい」を。生瀬・古田・池田の怪物3人を向こうに回して小池栄子夏帆が怪演。面白かった!

ホテルで朝ご飯をゆっくりと食べて、大宮駅前の果物屋で名物のフルーツサンドを購入し、久々に阪急電車に。子供の頃から出かける時はいつでも阪急。高校・大学への通学も働きだしてから会社に行くのもずっと阪急。結婚して阪急電車が走っていない滋賀に移り住んだのが25歳のときでそこから25年たった。もうあのえんじ色の車両見るだけで郷愁がこみ上げる。でそんな阪急に乗って約2ヶ月ぶりに実家へ。父の墓参りをして、昼は母の手料理を堪能。デザートにフルーツサンドをつまみつつ母のマシンガントークを浴びせられる。まぁ、一人暮らしで外に出歩くこともなかなかできない昨今、喋りたいことが相当溜まっていたのだろう。この程度の親孝行で申し訳ないのだけれど。

月曜。事務仕事に追われているうちにあっという間に夜。

火曜。今日も今日とてバタバタしてるうちにあっという間に夜。

水曜。今日もまたまたバタバタと。今日は大阪営業。遅い昼食は阪神パークで350円のラーメンを立ち食い。あっという間に10000歩。移動中は相変わらずラジオ。「ビバリー昼ズ」高田先生の絶好調ぶり、そして今もって衰えないアンテナのビンビン具合には感動する。テレビや演劇、本などなど今もなお様々なエンタメに触れ、日々アップデートを行っている。凄いとしか言いようがない。高田先生もそうだし、水道橋博士さん、ミュージシャンだと鈴木慶一さんや小西康陽さん、直枝政広さんなどなど僕が尊敬する方たちは皆、優れた表現者でもあるが、音楽や映画、様々なカルチャーを徹底して吸収している。いや、吸収しているというかもう当たり前に空気を吸うように、何の苦も無くそれをやり続けている。子供の頃からの当たり前の楽しみ、喜びとしてごくごく自然に様々なカルチャーに触れている。その姿がやっぱり信用できるんだよね。

木曜。朝から病院で検査の為に採血。いろいろメンテナンスが必要な年齢だ。で今日もまたいろいろ忙しくまたまた大阪で打ち合わせ。

金曜。朝から「おちょやん」に泣かされる。成田凌演じる一平の襲名披露口上シーン。星田“ほっしゃん”英利の表情が素晴らしい!名優の域。で「あさいち」近江アナ今日で最後。毎朝、朝ドラ観て、近江アナを一目見てから家を出るという生活を続けていたので寂しい限り。

で仕事の後、車走らせ伊賀上野まで。先週に続き、ビジネスホテル優待券を消化すべく一人旅。ホントは有給とっていく予定が外せない仕事が入ったため、仕事終わりに出発。ま、高速で1時間ほどだけど。夕食つきの宿泊プランで伊賀牛の陶板焼き御膳。食べ終わって部屋で「俺の家の話」観てたら母から電話。近くに住む叔父(母の兄)が風呂場で転んで救急車で運ばれたとのこと。

土曜。急遽予定変更。ホテルで朝食の後、高速飛ばして京都の実家まで。母と一緒にまずは風邪をこじらせ入院中の祖母の届け物で病院へ。コロナ禍で面会禁止の為、届け物だけ。続いて叔父(母の兄、80歳)の家で着替えや何やらをまとめて救急で運ばれた病院まで。大腿骨骨折でちょっと時間かかりそう。こちらも面会は禁止なので看護師さん通じて荷物の受け渡しなど。祖母(母の母、101歳)の面倒見るだけでも大変なところ、叔父((母の兄、独身80歳)まで入院ということで母(73歳)もバタバタ。母の息子(僕、50歳)は運転手ぐらいしかできなくて申し訳ないのだが、しばし週末ぐらいはお手伝いしないと。

一通り用事を済ませ、実家で母とケーキを食べて一休み。しかし父が亡くなって13年。近くに住む祖母と叔父の面倒を何かと見てきた母。100歳を越える祖母は認知症も進み昨年施設へ入ったものの、度々入院したりでその度母が動きまわっている。同居していた叔父は長く客商売をやっていたこともありいたって陽気な性格で、年の割に若々しく活動的だったがここ最近は膝を痛めて寝ていることが多くなった。そんな中での骨折でこの先ちょっといろいろ大変になるだろう。今はまだ母があれやこれや動いてくれているが、それでももう70を越えている。ここで母に倒れられたら…。兄貴は東京だし、すべては…俺の肩にどっと…くーっ、そんな「俺の家の話」。

 

 

2021年2月21日~26日の話

日曜。妻と観劇。MONO公演「アユタヤ」。舞台は17世紀前半のシャムロ(タイ)、アユタヤにあったという日本人町で繰り広げられる物語。無自覚の差別心やちょっとした悪意が生むデマやきな臭い陰謀論。史劇でありながらそこで描かれるのは今僕らが暮らす現在の問題。まるでTwitterのタイムラインのような風景。ただそれを大上段に構えるのではなく、MONOらしい半径数メートルの、隣人たちの物語として描く。そうすることで未来に希望を託す。世界はひどく殺伐としている。でもこの大きな世界は顔が見える僕と君の連なりなはず。「隣人の親切」が世界にまで広がれば…。その甘すぎる理想が今はとても大切だと思う。なんというかMONOの芝居は信用できる。

百貨店で買い物して帰ろうなどと言っていたが、人の多さに恐れをなしまっすぐ帰宅して、駅前のスーパーで割引の寿司を購入して夕食。そんなもんだ。

月曜。昨日に増して暖かな一日。明日祝日で休みなのでどこか気が楽。夜、斉藤由貴のセルフカバーアルバム「水響曲」を聴く。1986~87年、斉藤由貴に熱烈に恋していた。きっちり2年間。1988年には全く関心なくなっていたのが自分でもよくわからない。でも1986~87年はもう斉藤由貴の熱狂の中にいた。朝ドラ「はね駒」を毎朝録画し、彼女のグラビアが掲載された雑誌(たしかMOMOKOだ)を大事に引き出しに隠していた。自意識過剰な思春期だったからファンだということを家族にばれないようにしてたなー。「ホットカルピス」のCMに悶絶してたよ。

アルバム聴いてたらすっかり気持ちが86~87年に。当時ファンだったがアルバムまでは買ってなかったのでspotifyでアルバム一枚ずつ聴きながら寝る。

火曜。祝日。「おちゃやん」起床。ウインナーとキャベツを炒めてホットドック風トーストの朝食。で朝から映画。歩いて大津アレックスシネマまで。

まずはキム・ヨンフン監督「藁にもすがる獣たち」。ロッカーに置き忘れられた大金が入ったバッグを巡る欲望渦巻くサスペンス。「金」が原因で追い詰められる男たち、女たち…並行して描かれるそれぞれの物語がやがて一本の線で結ばれる。曽根圭介による小説を原作に、韓国お馴染みの名優たちが10億ウォンを目指し死闘を繰り広げるバトルロワイヤル。いやー劇的に面白かった!バラバラだった時系列やそれぞれの関係性が中盤になってカチッとはまったかと思うと、そこからの怒涛の展開!欲望を前にトチ狂っていく人々の群れ。凶暴すぎるチョン・ドヨンが最高!キュートで色っぽくて極悪。最近はわりと暗い役が多かったので痛快なチョン・ドヨンが楽しい。笑った時にきゅっと鼻の上に皺がいくのが凄く魅力的でかわいいんだよね。いつになく間抜けなチョン・ウソン、いつになくいかついチョン・マンシク、そしていつものペ・ソンウ!やりすぎ極悪描写も含め、面白かったなー。

続いては今泉力哉監督「あの頃。」。原作は劔樹人による自伝的コミックエッセイ。ハロプロに魅せられた仲間たちとの「あの頃。」。究極の片想いにして、純度100%の「好き」を共有しあう仲間たちとの日々。ずっと「好き」を描いてきた今泉監督の「好き」な人々への敬意。愛すべき「あの頃。」の物語だ。「好き」という気持ちが全てで「好き」が生活に明かりを灯す。傍から見たらバカみたいだとしても「好き」を持つ人は美しい。仲間たちとの馬鹿で間抜けな最高で最低な日々。「今が一番楽しい」はかけがえのない「あの頃。」にリボンをかけるような言葉であり想いだと感じた。主演は松坂桃李。ちょっと頼りないけど穏やかで優しい人柄が滲み出ていてさすが信頼と実績の松坂桃李!そして本年の映画MVPほぼ確定の仲野太賀がこれまた素晴らしい。さらに今を時めく若葉竜也など役者陣もみな良かった。

ということで本日の2本立て、どちらも大満足。顔馴染みのアレックスシネマ支配人さんと立ち話。どっちも最高に面白いんだけど、客入りが…とのこと。確かに祝日だというのに「藁にもすがる獣たち」に至っては客2人だけだったもんな。滋賀県人は映画嫌いか?文化不毛地帯感が悔しい。

水曜。朝から病院へ。人間ドックで引っかかっていた肺の影は、CTスキャンの結果全く異状なし。だったけど別の部分に気になるとこありとのことで呼吸器科科 から内分泌科 へ。問診の末、また来週採血へ。ま、50にもなればいろんなとこにガタがくる。病院から戻ってすぐに会社へ。なんだか疲れた1日。

木曜。営業で近江八幡へ行ったので昼は「初雪食堂」へ。名物のメンチカツが食べたかったのだが、メニューに無い!聞いたらメンチカツはやめましただって。なんでだよー。でアジフライ定食。ま、これはこれで美味しいのだけど。

金曜。朝から雨。今日は久々に大阪営業。人身事故で電車激遅れ。2時間ほどかけて大阪まで。車中ではラジオクラウドで町山さんの「たまむすび/アメリカ流れ者」。映画「ミナリ」観たい!お気に入りの女優さんハン・イェリも出てるし。それから「TOKYO SPEAKEASY」水道橋博士さんと劔樹人さんの回。絶賛炎上中ということもありジェンダー話から映画「あの頃。」話。ジェンダー話では杉作J太郎さんの名前も。杉作さんの女性に対する言動については実は僕もお手本にしている。ジェンダーだとかポリコレだとか言ってしまうとちょっと堅くなっちゃうが、男とか女とか関係なく、ただ人として敬意を持って接する。それが根底にあれば女性蔑視なんてありえないのだ。杉作さんは年齢や性別などに惑わされない、人に対する敬意があるんだよね。

radikoで「伊集院光とラジオと」の斉藤由貴さんゲスト回。銀色夏生作の「AXIA」はホント凄い曲だね。斉藤由貴しかあそこまで歌えないと思う。なんというかデビュー時からどこか「底知れない」感じがあって、絶対掴まえられないような魅力がある。だからこそ86~87年にあれだけ熱狂したんだな。

営業仕事こなして、「松のや」で遅めの昼食にかつ丼。たまにかつ丼、無性に食べたくなる。

で帰りの車内ではひたすら杉作さんの「ドッキリないと5」。2時間半、オンエア曲「シクラメンのかおり」だけ。オリジナルからカバーとひたすら「シクラメンのかおり」ってクレイジーだな。でもこれがちゃんと聴けるし、面白い。これこそが「選曲」だよ。レコード会社のおススメ商品並べて、選曲だなんてほうがホントはどうかしてんだよな。なにがナウヒッツだよ。サンプル盤しか聴いてない奴が選曲なんて出来るわけねーんだから。とついつい熱く思っちゃう。

 

 

2021年2月14日~20日の話

夜の地震速報。Twitterには遊び半分でまき散らされる差別デマTweet。どこまで醜く酷くなれるんだ。暗澹たる思い。

日曜。朝から卵サンドを。沸騰したお湯に卵を入れて8分。ちょっと黄身が半熟気味のゆで卵を作る。マヨネーズとからし、コショウを若干多めに入れて卵を粗めに潰しながら和えたのを、バターを塗った食パンにハムを一枚のせ、その上にたっぷりと。で食パンを重ねて出来上がり。完全にものにした感あり。

午前中はいつものごとく妻と買い物。昼からはアマプラで映画を一本。チョ・ギュジャン監督「目撃者」を観る。主演は今ノリにノッいるイ・ソンミン。殺人事件を目撃してしまった男。家族を守るため目撃したことを隠すが、やがて犯人、その犯人を追う刑事、三つ巴の追走劇が始まる。ってなテンコ盛りのスリラー。現代社会を隠喩しながらエンタメとしてここまでやるのか。面白かった。それにしてもイ・ソンミンのようなバイプレイヤーとして確かな実績を残すおっさん俳優がちゃんと主演映画を撮り評価されているのは韓国映画の豊かさを感じるな。

月曜。朝から雨。「雨の日と月曜日は」やっぱり憂鬱。いつもは徒歩通勤だけど、この雨の中25分歩くのはつらいのでバスで行こうとバス停へ。待てど暮らせどバスは来ない。時刻表見てみたら、ダイヤ改正で大幅に本数が減っていた。確かにいつも2、3人しか乗っていなかったからな。結局、どしゃ降りの雨の中を歩く。会社に着く頃にはズボンも靴もずぶ濡れ。

火曜。名古屋のバカなリコール騒動。次から次へと出てくるクソみたいな事実。ナチス崇拝のレイシスト医者に歴史修正主義のたわけた市長、登場人物たちのあまりに卑怯で恥知らずな振る舞い、言い草にあきれ果てる。心底、軽蔑する。

水曜。radikoで「爆笑問題の日曜サンデー」。田中さんの代役で伊集院さん。そしてゲストは関根勤さん。子供のころから関根さん大好き。カマキリ目当てで「カックラキン」毎週見てた。今なおチャイルディッシュで最高。太田&伊集院のW光も関根さんの前では毒気が抜けてただ楽しんでる。

 金曜。いつもは弁当持参なのだが、営業の都合もあって久々に外食。たまの外ランチなのでひたすら悩む。かつ丼は反対車線か、王将はこの前行ったし、ファミレスの気分じゃないな、ラーメンはちょっと濃いかな、うどんか?いや、うどんなぁ~などなど悩んでいるうちにすっかりランチ難民に。で結局、会社近くのココイチでカツカレー。久々に食べたけど、美味かった。何だこの話。

ドラマ「俺の家の話」。戸田恵梨香に悶絶しつつ、やはり主役・長瀬智也の素晴らしさよ。ど真ん中の座長ぶり。惚れ惚れするなー。

Twitterでの水道橋博士さんの炎上。確かにそのTweetを最初に読んだ時は、僕もあっと思った。もちろん、博士さんの今までの発言を知っていればその真意は容易に理解できるのだが、ここはTwitter。流れてくる多くの人の反応を読んでいると、なんだかなーという気分になる。このTweetに限らず、多くの人は目に入った文字だけに反応するんだな。いくつか前のTweetを辿るとかやっぱしないんだな。そんなとこだと言ってしまえばそうなんだけど…。

でも長く水道橋博士さんのファンである僕でさえ、あの表現に戸惑ったのは事実。炎上もまた容易に想像できてしまった。自戒も含めて何かを表現するにはもっと想像力を持たなければならない。

Twitterを始めた頃、水道橋博士さんが「口下手のアンプ」と言っていたがまさにそんな感覚があった。実際にTwitterを通じて言葉が響き通じる瞬間が何度もあった。でもいまでは時に流れてくるTLは地獄のようだ。差別にデマ、酷いヘイトの数々。気が滅入ってしまってだんだん口数が減ってしまった。ひたすらモヤモヤとしてしまう。

でなんとなく眠れないのでspotify寺尾紗穂さんの曲を。もう10年以上前になるのか、はじめて彼女の音楽に触れた時から寺尾紗穂さんは別格だった。ソングライターとしてシンガーとしてピアニストとして、もうずっと別格なのだ。音が、言葉が、まっすぐに心に響く。


寺尾紗穂 - 北へ向かう

 

で土曜。朝は昨日の残りのチキンカツをキャベツの千切りと一緒にトーストに挟んでチキンカツサンド。美味しい。

京都へ出て映画を一本。イ・チョルハ監督「ノンストップ」を観た。揚げパン屋を営むミヨンとパソコン修理工のソクファン夫婦。懸賞に当たりいざ憧れのハワイへ。しかし彼らが乗った飛行機がハイジャックされて…ってな爆笑アクションコメディ。主演は我らがオム・ジョンファ姉さん。韓国のマドンナと呼ばれた歌って踊れる元祖アイドルにして、シリアスからコメディまでこなす名女優。今作ではガッツリアクションにも挑戦。カラッと明るくキュートな演技で楽しく作品を引っ張る。嫌みな悪役で抜群の存在感を示すことが多かったパク・ソンウンがミヨンを愛する優しくてどこか抜けてるソクファンを大好演!ただただ楽しいだけのエンタメに徹した王道ベタコメディ。好きだなー。

で三条の映画館から京都駅まで、「蛤御門のヘン」(巨人師匠ゲスト回。さんま・紳助との思い出話など楽しい)、「ドッキリないと5」など聴きながらたっぷりオジ散歩。

 

2021年2月7日~13日の話

びわ湖ホールにて二兎社「ザ・空気 ver.3」を妻と観賞。びわ湖ホールは歩いていける御近所のホールで普段はオペラやクラシックの公演が多い場所だが、二兎社は毎年ここで公演している。そこのことは知っていたんだけどなかなかタイミングが合わず今回が初観賞。
報道番組「報道9」に出演する為TV局にやってきた政権の御用評論家・横松。政権批判の姿勢によって今夜の放送を最後に更迭されるチーフプロデューサー星野。ユーモアを交えながらそこにある「空気」を描き、核心を突く。単純な保守VSリベラルという構図ではなく、権力とメディアをとりまく厚く重い「空気」はどこから来たのかを両面から問いかける。ドタバタ劇の面白さから一転、最後にその問いは観ているものにも突きつけられる。政治評論家・横松を演じるのは佐藤B作。反骨のジャーナリストから右寄りの御用評論家に変節した人物を時に憎らしく、時に憎めない変幻自在な演技で魅せる。舞台人の凄みを観た。対する神野三鈴がまた凄い!横松を軽やかに追い詰めていきながら、その刃がいつの間にか自分にも向いていることに気づく。ラストの彼女の演技に息が詰まった。あと昔から好きな女優、韓英恵さんが出演してたのも嬉しかった。それにしても歩いていける近くのホールで観劇なんてとてもぜいたくな気分になったな。
今週は祝日があったのでちょっと楽。最近は週5日の労働にやたら疲れてしまう。以前の働き方に比べたら最近は残業も少ないし楽になっているはずなんだけど、精神が肉体を追い詰めていくような感覚がある。
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通勤の通り道、夏に閉店した地元唯一の百貨店「西武百貨店」の解体が進んでいる。普段の買い物に使うことは少なかったけど、ちょっとした手土産を買ったり、お祝い事にはケーキを買ったり、催場でやる北海道市やら美味いもの市やら覗いたりと、時々寄るとなんとなく豊かな気持ちになる場所だった。崩されていく姿を眺めるとちょっと寂しい気分になるな。
で11日祝日。楽しみにしていた西川美和監督の新作「すばらしき世界」。初日に劇場へ。人生の大半を刑務所で過ごしてきた男・三上。出所し、今度こそはと堅気として生きる決意をするがその行く先々には様々な障壁がある。「社会」と折り合いをつけると言うことは様々な悪意や許し難い卑怯な振る舞い、心が踏みにじられるような事を飲み込むことなのか。
「すばらしき世界」。映画を観終わりこのタイトルが文字通りに響くと同時にきつすぎる皮肉にも感じる。今僕たちが生きるこの世界は「すばらしき世界」なのか。主人公・三上がこの世界に観たのは希望か絶望か。とてつもなく優しく、ひどく残酷なゆらゆらと揺れる「すばらしき世界」。
主人公はもちろんこれを取り巻く人々もまた単純ではない。善と悪が内在する人間の複雑さ、そのどちらにも簡単に傾いてしまう危うさ。それは人間そのものであり、社会そのもの。当たり前だけどこの世界を「すばらしき世界」にするもしないも人間なんだな。
それにしても役所広司がとにかく素晴らしい。三上という男が歩んできた人生の過酷さ、それをどう生き抜いてきたかがしっかりと伝わる。変わりたいと願いながら、もがく姿の生々しさ、人間臭さ。演技とすら思えない、演じてると感じさせないぐらいに、その人生を生きてきた一人の人間として観えた。
映画館を出て空を見上げながら街を歩き、この「世界」について考える。「すばらしき世界」をこの現実の世界への皮肉にしてしまわないようにできるのか。
家に帰ってオリンピック絡みのニュース速報。謝罪する意味すらわかっていない老人のとてつもなく薄く軽々しい反省。無自覚であることの罪深さ。「すばらしき世界」からまた一歩遠ざかるような「世界」がそこにはあった。
有効期限がもうすぐ切れる貰いもののビジネスホテル宿泊券を消化すべく、金曜の夜から意味無く長浜一人旅。高速を使わない杉作J太郎イズムで2時間ほどの夜のドライブ。radikoで杉作さんの「ドッキリないと5」聴きながら。ビジネスホテルで牛丼弁当というストロングスタイルの夕飯を決め、「俺の家の話」(ますます面白い!)観て、後は寝るだけ。サラリーマンになりたての頃、月の半分は出張していた。ビジネスホテルに泊まるとその頃のことを思い出す。もう20年以上前か。僕は一人暮らしの経験がないからたまにこうして一人で過ごす夜があるとそれだけでちょっとリフレッシュできる。
で今日は朝から長浜観光。会社も絡んでいる商店街でのマルシェに顔を出し、あとはぶらぶらと街を探索。家族へのお土産を少し買って帰宅。
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帰りもまた下道で2時間かけて。車中ではラジオクラウドで「アフター6ジャンクション」をまとめ聴き。ムービーウォrッチメン「新感染半島」「花束みたいな恋をした」「KCIA南山の部長たち」に「無頼」井筒和幸監督インタビュー、「すばらしき世界」西川美和監督インタビューを。