日々の泡。

popholic diary

2019年10月21日

月曜。だけど明日休みだからなんとなく気分は休みモード。京都で商談の後、久し振りに王将で昼食。悩んだ挙句、鶏のから揚げとチャーハン(ミニ)。うーん、本当にこれで良かったのだろうか。焼きそばとから揚げ(ミニ)の方が良かったのではないか、いや天津飯の方が良かったか。仕事中だから餃子は遠慮したが、やっぱり餃子行っとくべきだったのか。あえてラーメンという手もあったなぁなどと食べ終わってからも悩む。納得の昼食。これがなかなかに難しいのだ。

2019年10月20日

8時15分起床。せっかくの日曜なので布団の中で少しダラダラ。朝食は卵トースト。沸騰したお湯に卵を割りいれそのまま茹でて引き上げ、マヨネーズと和えて食パンの上に乗せてトースターへ。前にテレビで茹で卵作って殻剥いてやるより早いと言ってたのを真似してみる。たしかにどうせマヨネーズと和えてつぶすんだからこの方が手っ取り早いな。

で朝から妻と地元のイベント健康フェスタへ。医師会やら健康関連の団体によるイベントで体力測定やら骨密度の検査やらが気軽に楽しみながらできる。妻は健康オタクなところがあって、毎年一回開催されるこのイベントを楽しみにしているよう。参加するとティッシュやらボールペンやらなにかと景品をもらえるのも嬉しい。実際参加してる人は50代以上の女性が圧倒的に多いのだが、妻と一緒に一通り回る。体力測定での体力年齢は69歳と出た…。

帰って録画してあった「リンカーン運動会」など観ながらうとうとと昼寝。気がつけばもう夕方。

あっという間に一日が過ぎる。部屋の掃除も庭の手入れもなんとなく後回しにしたまま一日が過ぎ、一週間が過ぎ、一か月が過ぎ、一年が過ぎる。もう正月なんてあっという間に来るだろう。

2019年10月19日

土曜。朝早く目覚めてしまったのでspotifyで韓国音楽をあれこれ。最近は部屋が物だらけでもはやCDの収納場所が確保できない。これからは物を減らす方向でいかないとなーってなことですっかりサブスク派。毎日のように新譜を聴けると言うのは単純に音楽ファンとしては嬉しい。モノとして持っておきたいと言う気持ちは年々薄れてきている。

朝ドラ「スカーレット」はまだ序章だが面白くなりそうな予感。トーストとハムエッグの朝食をとり、9時からはradikoで「ナイツのチャキチャキ大放送」。

昼前に京都へ出る。radikoタイムフリーで角田さんの「蛤御門のヘン」を聴きながら。四条烏丸サイゼリアでペペロンチーノとミニフォカッチャのランチ。合計378円也。小銭で支払いを済ませて、しかし50前になってたまの外食がこれか…と思ったらちょっと泣けてくるね。ホント、金には縁のない人生だよ。

本屋でピチカート特集のミュージックマガジン誌を立ち読み。昔ならピチカートの7インチBOXもこの特集号だって絶対に買っていた。が、いまはもう買わない。頭の中と心の中にしっかり音楽は残っているから、もうモノはいいや。最初の話に戻るけど、執着がなくなりつつあるのだ。

京都シネマ韓国映画「お料理帖」を観る。認知症の母と息子の物語。そりゃ泣くわ。主演のイ・ジュシルさんの舞台挨拶もあって、久々にパンフを買ってサインをもらう。サイン会に並んでたのは5、60代の女性がほとんどで男は僕一人だった。とてもいい映画で感動したこと、国は違えどとても共感できたし心は通じ合うという旨をジュシルさんに伝えられた。とても喜んで下さった。大女優でありながらとても気さくでチャーミングな方だったな。

四条通り、寺町通りを歩いてMOVIXに移動。是枝監督の「真実」を観る。監督の「歩いても歩いても」が大好きなのだが、それに通じるユーモアとちょっとした毒気をはらんだ家族物。フランスでもしっかり是枝印でとても素晴らしい作品だった。イーサン・ホーク阿部寛に見えてくる。

市バスとJR乗り継いで帰宅。休日に映画を二本。これが私のささやかな愉しみ。

2019年10月18日

10年前の自分の日記を読んでみた。とても良く書けている。あの頃は毎日書いていた。文章は書けば書くほど巧みになっていくものだ。

でしばらく書いていないから、随分下手くそになった。

しかし10年なんてあっという間だな。あと1年ちょっとで50になるなんて自分でも信じられない。なんというか14歳からいまだ地続き。ふと本棚に目をやると14歳の頃に読んでいた小林信彦さんの文庫なんかがずらっと並んでいる。

せいぜい後30年。いや20年か、もっと早いかもしれない。人生の終わりが薄ぼんやりだが見えてきた。

買ったまま読めていない本がうず高く積まれている。読み終えられるだろうか。

2019年9月のTweet

2019/9/2

ジョン・マクフェール監督「アナと世界の終わり」を観た。青春ミュージカル×ゾンビ映画。主人公が歌い踊る後ろにゾンビがウロウロ。最初はコメディーな感じだが、徐々に状況は過酷に。最後は少年少女たちの成長物語として涙チョチョ切れた!

2019/9/3

カーネーションのファンクラブ会報「SOUND FACTORY」での本特集、直枝さんが野末陳平がストリップにはまっている話を。神田松之丞に勧められて高田文夫と行ってるとまで。直枝さんもビバリストだったのか。

2019/9/9

ジョーダン・ピール監督「アス」を観た。幸せな4人家族の前に現れたのは、もう一人の「自分たち」だった-ってな話。格差社会が社会にもたらす光と闇。そこから生まれる恐怖を見事にホラー映画として構築。後味の悪さは、自分自身も心の奥に隠している闇を見せつけられるからだ。。自分の豊かさは、誰かにとっての暴力なのかもしれない。幸せを守るために、人はいとも簡単に残酷になる。その人間が持つ本性を暴く作品。見たくないものを見せる。考えたくないことを考えさせる、そんな恐怖映画。

2019/9/15

昨日はリニューアル後初めて「京都みなみ会館」へ。めちゃくちゃお洒落空間になっていたが、広々としてトイレもきれいで居心地良し。座席は以前と同じフカフカ仕様。しかし京都はいい映画館が多くていいな。いつか滋賀に小さな映画館を作りたいと言うのが私の大きな夢である。

イ・ジョンソク監督「ザ・ネゴシエーション」を観た。武器売買を行う犯罪組織のリーダーによる拉致事件。事件解決の為、ソウル市警の警部補チェユンによる交渉が始まる。今時の映画らしく起承は飛ばして転結から。ずっとクライマックスが続くんだから面白くないはずはない。サクっとスカッと魅せる。

で今日はついに行ってしまった、偏愛するLOVELYZのコンサートに。デビュー以来4年、大袈裟じゃなく毎日動画をチェックしているLOVELYZ。いや、コソコソとリリイベには行ってたんだがフルのコンサートは初。客席に降りてきたスジョンとハイタッチした瞬間が人生のピークをマークした。

昨日は韓国映画を観て、今日はK-POPのコンサートへ。この10年ほどは韓国カルチャーにどれだけ救われ、楽しませてもらっているか。テレビや雑誌では相も変わらず嫌韓煽りが酷いが、好きなものを好きだと言う自由を手放すわけにはいかない。

2019/9/16

三谷幸喜監督「記憶にございません!」を観た。史上最悪のダメ総理が記憶喪失になって…ってな、ま、想像通りのコメディ。言いたいことはあるけど、とにかく「中井貴一ショー」と思えば最高。戸惑う貴一、うろたえる貴一、あたふたする貴一、困り顔貴一のオンパレード。貴一映画の決定版!あとアメリカ大統領の通訳役の宮澤エマがとても良かった。しかし史上最悪のダメ総理という設定だけど、現実の総理より全然マシという…。映画は喜劇だが、現実は悲劇だなぁ

2019/9/24

キム・ソンフン監督「王宮の夜鬼」を観た。王座を狙う国王の側近と運命を託された王子が戦う王道の時代劇にゾンビをテンコ盛り!やたら強い悪役、戦いの中で成長していく主人公、個性的な脇役が生む笑いと涙、そこにこれでもかとトッピングされる夜鬼(ゾンビ)。これまた全編クライマックス。極悪非道なチャン・ドンゴンは色気ダダ漏れだし、成長する王子、ヒョンビンの超絶アクションはかっこよすぎ。チョ・ウジンにチョン・マンシクといった演技派がしっかり脇を固める。見せどころ、泣かせどころはやり過ぎなぐらいに徹底的に。サービス精神旺盛なエンタメ力に脱帽

ジェームズ・グレイ監督「アド・アストラ」を観た。宇宙探索中に消息を絶った父を宇宙飛行士になった息子が探しに行く「父を訪ねて43億キロ」。「壮大なスペースアクション」というコピーに全くそぐわない、静かで荘厳な哲学的な物語。果てしない宇宙、究極の孤独の中で辿りつくのは自分自身の内面。地球から遠く離れていくごとに、どんどんと内側に迫っていく。探し求め進んで行けばいくほど絶対的な「無」が広がっていく。いやー宇宙には行きたくないなぁ。

ドキュメンタリー映画「フリーソロ」を観た。地上から垂直に切り立つ岩壁を命綱無し、自らの肉体だけで登る究極のクライミング、フリーソロ。約975メートルの断崖絶壁エル・キャピタンに挑むアレックス・オノルドの記録。とにかくとんでも無いものを観た!凄い、いや凄過ぎた!いや、こんなに緊張して映画観たのは初めて。自分はクーラーの効いた劇場で、心地のいい椅子に座って見てるだけなのに、ラストには掌に汗ビッチョリ。何度心の中で「もう、やめてくれー」叫んだことか。凄いものを観てしまった。参りました。

宇宙旅行とフリーソロだけは絶対にできないなー。とボンクラ丸出しの感想しか言えない

2019/9/26

ほんとに酷い国になってしまった。いや、してしまったと言うべきか。自分の無力さに、心が潰されそうになる。

2019/9/27

今泉力哉監督「アイネクライネナハトムジーク」を観た。強くもないし、かっこよくもない、善良な心優しき人々の物語。その決して注目されることのない善良さが、とても心に響いた。今の社会にはどぎつい悪意や剥き出しの敵意が溢れすぎている。でも確かにあるはずの善良さこそが本当の強さになる。ちょっとした出来事や、小さな偶然が、人の背中を押し誰かとの繋がりを生む。愛すべき作品。三浦春馬の滲み出る善良さが素晴らしかった。

2019/9/28

森淳一監督「見えない目撃者」を観た。韓国映画のリメイク。視力を失った元・警察官が"目撃"した事件の謎を追う。ハードな描写も厭わない骨太で緊張感のあるスリラー。ただ若干あざとい演出で犯人は出てきたワンシーン目ですぐわかってしまう。その先に重点を置いているからだろうが。日本映画にしては頑張ってるな。という感想はあまり嬉しいものではないだろう。でもこの手の骨太サスペンスを長年徹底してやってきた韓国映画界とはやはりかなり差をあけられているなという印象。面白くなかったわけではないのだけれど。

真利子哲也監督「宮本から君へ」を観た。激しい肉体のぶつかり合い。とても過激な表現なんだけど、それは僕たちが日々の生活の中で体験している様々な心のぶつかり合いを描いているんだと思う。愛という言葉が役に立たないほど生活には覚悟がいる。様々な試練が襲いかかる中、どこまでの覚悟が持てるのかを試されていく。でもそれは果たして誰のためのものなのか。物語は単純なところにはとどまらず、その先の深みまで足を踏み入れる。表現方法は真逆だが「アイネクライネナハトムジーク」とも共通するものを感じる。

映画「宮本から君へ」。めちゃくちゃ過激で肉体的な痛みを持った表現なので一見共感できなさそうなんだけど、わからないけど"わかる"という感覚がある。呑気な暮らしをしているとはいえ一応結婚生活24年にもなるので、どこかぶつかり合う痛みに共鳴するところがある。それにしても蒼井優が凄過ぎた。「オーバー・フェンス」「彼女がその名を知らない鳥たち」「斬、」など特にここ数年は恐ろしいまでの充実ぶり。ちょっともうレベルが数段上という感じ。

2019年8月のTweet

2019/8/4

差別主義者の独裁政権、恥知らずで間抜けな憲兵達が、表現を、言葉を、踏みにじり奪っていく。本当に嫌な国になってしまった。

イム・ジンスン監督「守護教師」を観た。もしも、マ・ドンソクが女子校の教師だったら?という3年C組ドンソク先生な物語。キム・セロンちゃんとともに消えた女子高生の謎を、その腕っぷしだけで解決していく。もはや今の日韓問題を解決できるのはマ・ドンソク兄貴しかいないんじゃないかとさえ思う。

2019/8/11

昨日は出町座で映画3本観た後、京都駅近くに新しくできたTHEATRE E9 KYOTOへ。MONO特別企画「涙目コント」を観る。ブラックなネタさえどこかほっこり優しい気持ちになるMONO流コント。会話のリズムがとても心地よく気持ちよく笑えた。新メンバーの個性も上手く出ていて、次の作品が既に待ち遠しい。

パヴェウ・パヴリコフスキ監督「COLD WAR あの歌、2つの心」を観た。ピアニストのヴィクトルと歌手のズーラ。ポーランドやパリを舞台に様々な事情で引き裂かれ、すれ違いながら求めあう二人。モノクロの映像に無駄のないストーリー展開。静かだがこれ以上ない程に情熱的。民族音楽とジャズが雄弁に語る

イム・スルレ監督「リトルフォレスト 春夏秋冬」を観た。都会から故郷へ帰ってきたヘウォン。自分で育てた作物を料理し食べる。季節を感じながら人としての根源的な行為を通して自分自身と向き合っていく。ただそれだけなのに完全に心を持って行かれた。丁寧に力強く描かれる「生きる」ということ。原作は五十嵐大介のコミック。日本では橋本愛主演で映画化されたものの韓国版。主演は「お嬢さん」などのキム・テリ。自然と対峙し「生きる」という行為は、国や政治が生まれるよりも前にあったこと。「生きる」ことを描く作品に国境を越えて共鳴し合えるのは当然。

2019/8/15

塩田明彦監督「さよならくちびる」を観た。ハルとレオは解散を目前にしたデュオ。ローディーのシマとともに最後のツアーへ。お互いを思いつつギスギスとした空気の中で終わりへと向かっていく3人。それぞれのやりきれない一方通行が切ない。それにしてもスクリーンで観る小松菜奈は最高。

新海誠監督「天気の子」観た。やはり俺は少々歳をとり過ぎたようだ…。

「さよなら…」も「天気…」も音楽が重要な要素になってんのだが、なんつーか、一番引っかかったのはどちらもそこ。前者はいい映画なんだけど歌になると急に品行方正になっちゃって…。後者はなんつーかただただ苦手なんだよ。それ承知で行った俺が悪いんだけど

2019/8/16

浅沼直也、上田慎一郎、中泉裕矢監督「イソップの思うツボ」を観た。3組の家族が絡み合う物語…ぐらいしか言えない。情報ないまま観るのが正解。なんなら「カメ止め」のことも一切忘れて観るべし。仕掛けと物語のバランスが難しいところだけど、ちょっと仕掛け優先になっちゃってたかな。何かあるんだろうと思いながら、行き着く先が全く予想できない。その意味では面白かったんだが、物語としてはどうか。仕掛けの面白さと物語の面白さがアンバランスに感じた。後味の悪さは狙いなのかもしれないけれど、家族の物語の描き方が薄い。だからどうしても仕掛けが先行しちゃう。ま、期待値が高い故の苦言だけど、フレッシュな作品であるのは間違いない。

矢口史靖監督「ダンスウィズミー」を観た。インチキくさい催眠術にかかって、音楽を聴くと歌い踊りだす身体になってしまったミュージカル嫌いの静香が巻き起こす騒動の数々。ってなコメディにして物語はロードムービーへ。ミュージカルシーンがどれも最高で、それだけで結構満足。宝田明が歌い踊るオープニング曲はジャズアレンジが施された山下久美子の「TONIGHT」。誰もが知ってる大ヒット曲ってわけでもないけど、まさに物語とぴったりくるテーマ曲で選曲した人凄いなー。主演の三吉彩花がいい!目鼻立ちのはっきりとした正統派美人、長身で長い手足。ミュージカルシーンでの映え方が実に素晴らしい。日常からはみ出してしまう悲喜劇だが、そのはみ出したところでの輝きがとにかく痛快。やしろ優との凸凹コンビぶりも楽しかった。

2019/8/24

東京ポッド許可局JAPANツアー大阪公演観てきた!ポッドキャスト時代からの許可局員としては感慨もひとしお。☓☓の嫁JAPAN、PKさんの絶妙なセレクトに爆笑。楽しかった!

デクスター・フレッチャー監督「ロケットマン」を観た。素晴らしいミュージカル映画エルトン・ジョンの悲しみや孤独、栄光の先の闇、そこからの帰還。そしてソングライティングでコンビを組むバーニーとの友情。いや、マジ泣けたっす。とにかく主演のタロン・エガートンが素晴らし過ぎた。エルトン・ジョンの繊細さと大胆さ、虚構と真実を見事な歌声で演じきっている。スゲー!

2019/8/26

新聞の広告欄に載る嫌韓煽り雑誌の醜い言葉の数々。どれだけ人の心にダメージを与えるのか。耐えられないよ。政権が、テレビが、新聞が、ヘイトを撒き散らす世界。お墨付きをもらった狂った憲兵たちがタンポポを踏みにじるように、自由を、人権を奪っていく。地獄だろ。

 

2019年7月のTweet

2019/7/7

白石和彌監督「凪待ち」を観た。ギャンブル狂いのろくでなしが辿る、最低で最悪な再生の物語。ヒリヒリとする暴力の中で、愚か者たちが持ち寄る不器用な優しさが沁みる。誰もがちょっとしたことで間違いを犯してしまう。その愚かさこそが人間であり、そこに救いの手を差し伸べるのも人間なのだ。

スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」をやっと観た。いやー最高!ヒーロー映画の爽快感と青春映画の甘酸っぱさ。そしてエンドゲームを受けての、その先へ向かう成長の物語。フェイクを操るヴィランもなんだか象徴的。MARVEL、まだまだ楽しませてくれるなぁ

チョ・ナムジュ著「82年生まれ、キム・ジヨン」読了。韓国でベストセラーとなり社会現象を起こしたフェミニズム小説。82年生まれのキム・ジヨンを通して社会が、男性が女性達に対してどのような態度をとってきたかが描かれる。いかに自分が無知で無自覚に女性を酷く扱っていたかを思い大反省。今日の「いだてん」では女性アスリート人見絹江さんが描かれた。それと同時に男たちが、社会が、彼女や女性をどのように扱い、どのような態度をとっていたかも描かれる。ひたすら無神経で差別的、無自覚に人を傷つける様は、今もそう変わっていない。自戒も含めて言うが男たちこそが変わるべき。

2019/7/14

デヴィッド・ロウリー監督「さらば愛しきアウトロー」を観た。スーツを着こなし、穏やかな頬笑みをたたえて銀行強盗をする老紳士。彼こそが16回もの脱獄を繰り返した伝説のアウトロー、フォレスト・タッカー。人生を軽やかに生きるまさに愛しきアウトロー。誰もがこの老紳士を好きになる。主演は今作が俳優引退作となるロバート・レッドフォード。粋な会話とユーモア、誰も傷つけずに行われる銀行強盗、優雅にすら見える警察とのカーチェイス。豊かな映画の記憶が呼び起こされ、なんとも心地よい。爽やかな軽味がとてもいいのだ。

ジル・ルルーシュ監督「シンク・オア・スイム」を観た。主人公ベルトランはうつ病を患い引きこもり生活を送るさえない中年男。ある日出会った「男子シンクロナイズドスイミング」。チームに加入することになったベルトランだがそこにいたのはそれぞれに問題を抱えたオヤジ達とコーチだったってな話。冴えないにも程があるおっさんたちのシンクロチームが奇跡を生む。まさにベタ中のベタ、みんな大好き、負け犬達のONCE AGAINな物語。キャラの立った登場人物たち、それぞれが抱える複雑な問題、それを越えて輝くラスト。いやそりゃ最高でしょう。

2019/7/20

ふと目に入った車内吊り広告。政権にすり寄る雑誌が相も変わらずヘイトを撒き散らしている。こんなことでしか自分たちを表現できないなんて悲しくないか。他者を攻撃することでしか自分を語れないなんて虚しくないか。権力者のケツをなめて自分も権力者になったつもりか。はっきりいってクソだよ。選挙前に張り出された吊り広告には、隣国や野党に向けられたヘイトにまみれた醜悪な言葉が並ぶ。これこそが現政権の本質だろう。そしてこれだけでこの政権を支持できない。あの言葉がいつか自分にも向けられるとどうして想像できないんだろう。

ユン・ジョンビン監督「工作 黒金星と呼ばれた男」観てきた!北に潜入した工作員「黒金星」。ついには最高権力者・金正日にまで接見。しかしその中で北の脅威を謳い軍事政権を維持したい与党と北側の裏取引を知り…。わずか20数年前、実際にあった話。いやはや自国の闇をエンタメに。スゲー映画力!主演は我らがファン・ジョンミン兄貴!陽気な商売人を演じる国の為に命さえ捨てるスパイ。その悲哀と覚悟、硬軟巧みな演技はさすがっす。そしてイ・ソンミンが激渋の好演。ラストは思わず涙!

2019/7/25

では吉本関連の話題を。ガレッジセール・ゴリこと照屋年之監督「洗骨」をやっと観た。文字通り骨を洗うという風習とそこに宿る受け継がれていく命の物語。笑いながら泣くようなとても豊かな映画だった。奥田瑛二の見事なダメ親父っぷり、助演女優賞ものの大島蓉子コメディリリーフ鈴木Q太郎も良い。この映画を勧めてくれたのは滋賀出身のアイデア溢れる芸人さんだった。ファン・ジョンミンの新作も公開されたことだし、いつかまたゆっくり映画の話ができたらいいな。

2019/7/28

京都レコード祭りで久しぶりに直枝さんの弾き語りを堪能。魂込もってたな。「やるせなく果てしなく」「Ooh!Baby」は自分にとって特別な歌で、人生の節目に現れては背中を押してくれる。しんどい時にどう立ち上がるかを教えてくれる。京都レコ祭りでの直枝さんのフリーライブ。最後には多くの人が拍手を送っていた。たまたま通りがかって初めて聴いた人もいるかもしれない。それはとても素晴らしいことだと思う。より広くより遠くに届くべきだと常に思っている。

ロバート・ゼメキス監督「マーウェン」を観た。ヘイトクライムにより人生を、記憶を奪われた男。PDSDに苦しみながら、架空の街「マーウェン」を舞台にしたフィギュアの写真を撮り続ける。空想の世界と現実の世界が交差するストレンジな映像表現に舌を巻いた。だがこの表現こそが必然であり意味がある。全く前知識無しで観たんだが、フィギュアが演じる空想世界の物語、その表現に度肝抜かれた。そして大好きな俳優、スティーブ・カレルの繊細な演技。空想の物語、そして彼に寄り添う人たちが現実を救う。大好きな映画になった。